本日行われたコンサドーレ札幌対徳島ヴォルティスは1-0で札幌が勝利。徳島は京都戦に続く連勝はならず、順位をまた下げて下位に沈んでいます。
札幌が(1点あれば十分と言わんばかりに)それ以上は無理に攻めてこなかったので、失点こそ1で済みましたが、点差以上の完敗の印象だったのは、試合を見た方ほぼ全員が感じた事でしょう。
その中で、失点シーンを振り返ります。
失点シーン(50秒~)、ハイライトではGKの中途半端なキックからになっていますが、実はその前のプレーから数々の消極的なシーンの連続でしたので振り返ります。
01 札幌の攻撃が失敗して徳島のGK相澤がキャッチ。
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02相澤からDFの福元へゴロのスローイン
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03 福元から藤原へパス
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04 藤原から橋内へパス
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05 橋内ダイレクトではたいて再び藤原へ
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06 藤原が少し持ち替えてすぐ橋内へ

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07 橋内ダイクレトで藤原へ

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08 藤原がキョロキョロしながら福元へ(この間にラインは少しずつではあるが上がる)

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09 消極その1 濱田が下がってきて受けに来る。福元が(濱田かあるいはもっと)前に蹴りだすかと見せるがやめて横の藤原へ

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10 ここでようやく藤原が右サイドに張っていた岩尾へ強めのグラウンダーのパス
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11 消極その2 チェイスされそうだったのを感じたのか岩尾がダイクレトで橋内へ戻す(ここで札幌にスイッチが入って前線の3人がプレスしてくる)
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12 橋内、パスを受け一瞬中央の藤原を見る

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13 消極その3 内村選手が藤原にプレスしそうと感じたのか、トラップした後は振り返って結局相澤へ長めのバックパス
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14 相澤が蹴る瞬間にやや体勢を崩して打ち上げ気味のミスキックになる
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15 徳島前線の木村には届かず札幌の中盤MF堀米選手がフリーでジャンピングヘッドで前線へ
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16 札幌ジュリーニョ選手がダイクレトでヘディングして斜め前方へ絶妙なパス(福元が下がりながら対応したため問題なくオンサイド。これ自体は仕方ない。)
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17 徳島は藤原、福元、札幌は内村一人でのスプリント。相澤はやや後退しながら体勢を整える。
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18-1 福元の方が追いつけそうだったが、内村には近くにいた藤原がオレが身体を寄せる?…というような右手のジェスチャーを福元に送る。
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18-2 内川が一歩早くそのままダイレクトシュートの体勢。この際、相澤の右脚が浮いている
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19 内村シュート。まだ相澤の右脚は浮いたまま。

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20 相澤の右脚がついた時にはもうシュートは相澤のすぐ横を通過寸前
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21 遅れて倒れながらセービングにいった相澤の左手がシュートコースにいくも、すでにシュートは通過後でサイドネットに突き刺さるゴラッソ

何度見てもヒドイ失点の仕方です。内村選手のシュートそのものは同じシチュエーションでやっても、そうそう何度も決まるものでもなさそうな、難易度の高い素晴らしいゴラッソでした。
しかし、そこに至るまでの徳島ヴォルティスのプレーがいろいろとひどいのです。
- まず、藤原選手と橋内選手のあまり意味のないダラダラと4回したパス交換。
- そして、ようやくサイドに出たのに、あっさりとバックパスを選択した岩尾選手。
- さらに藤原選手に出すのを諦めてGKへのバックパスを選択した橋内選手。
- 少なくともFWまでは飛ばさないといけない場面でバランスを崩して中途半端なミスキックをした相澤選手。
- 内村選手とのスプリント合戦で追いつけそうだった福元選手は藤原選手に対応を任せ、けっきょく身体を十分に寄せ切れなかったのに福元選手を止めるようなジェスチャーをした藤原選手。
- 内村選手のシュートの瞬間に少しジャンプしたために反応が遅れた相澤選手。
こんなところでしょうか。
厳しい言い方ですが、このシーンに相澤選手の限界を改めて見せつけられた感じです。GKの基本中の基本として相手選手がシュートを打つ前に動いてはいけない。
そして一番いけないのは相手のシュート前にジャンプしてしまう事です。空中に浮いてしまっては反応のしようがありませんからね。
このシーンです。
相澤選手は本能的にシュートの瞬間にごく小さくですが、ジャンプしてしまっています。着地後にすぐに左手を伸ばしましたが、ジャンプしていた分だけ反応が遅くなり、シュートコース内には左手は届いていたのに既にシュートは通過してしまった後でした。
そして、藤原選手と福元選手の連携の悪さ。厳しい言い方ですが、藤原選手は明らかに福元選手を止めたのですから、いくらダイレクトだったとはいえ振りぬかれてしまってはいけません。そもそもこのシーンでそんなジェスチャーは不要でした。手を上げた分明らかに対応が遅れています。そんな余裕はなかったはずで、とにかく身体を寄せにいけばよかったのです。
福元選手、この失点シーンでの責任はあまりないと思いますが、藤原選手よりも明らかに追いつけそうな勢いだっただけに、内村選手しか居なかった場面なので構わず自分でいってしまっても良かったかもしれません。
岩尾選手、この人の場合は危機意識が働きすぎたか、ようやく前に出たボールをあっさりとバックパスの選択をしてしまった事。パスの出しどころがなかったかもしれませんが、あの場面を見ると広瀬選手が斜め前方にいます。簡単ではないでしょうが、チョンとはたいて木村選手に繋ぐ選択もあったかと思います。バックパスは岩尾選手だけの責任ではないと思いますが、あそこで簡単にバックパスを選択してしまうところに今の徳島ヴォルティスの弱さが集約されています。
橋内選手、最初にダラダラと藤原選手とパス交換をしていたのは、少しずつでもラインを上げたので、百歩譲って許すとしても、岩尾選手からのバックパスをそのままさらに相澤選手にまで戻してしまったのは、もう弱気、自信の無さの現れです。確かに内村選手のプレスが藤原選手に掛かりそうな場面でしたが、藤原選手がダイクレトで岩尾選手に縦パスを入れる事も可能だったと思います。

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ここからバックパスを選択してしまう消極性と自信のなさ。
結局のところ、DF陣の技術力のなさ、自信のなさが、相手にとってまったく怖さのないチンタラしたパス交換に終始し。十分に徳島を観察していた札幌がいざ徳島が攻めようとした瞬間に一気にプレスをかけてきて、それに慌てた徳島守備陣が小さなミスを重ねました。
そして内村選手がここでそれをやるか…というゴラッソを決めたのです。サッカーはミスをした方が負ける事の多いスポーツですが、弱気の顔を見せた徳島ヴォルティスが小さなミスの積み重ねから決定機を招き、難しいシュートにも関わらず、強気に積極的にダイレクトでシュートを打った内村選手のシュートはゴールに入った…というわけです。
あくまで結果論かもしれませんが、スポーツとはそんなものです。結局は徳島が弱いのです。今の状態の悪さは小林監督時代よりもさらに悪いと私は考えています。負ける事を重ねて、さらに弱気になり、常に安全策安全第一になるあまりに、さらに相手に付け込まれているという悪循環になっているのではないでしょうか。
なかなかこの泥沼を脱出する事は難しいと思いますが、まずは勇気をもって前に進もうとする気持ちを持つことから、すべては始まるのではないでしょうか。なんでもかんでもシュートを打てばいい…というものでもないでしょうが、十分に狙ってもいい場面でもさらにフリーの選手を探して結局シュートすら打てず、相手ボールにしてしまい、そこからカウンターでピンチを招く…というシーンを、この試合でも何度も目にしました。
繰り返しになりますが、まずは前を向いてほしいです。少しでも前にボールを運んで、そしてシュートが出来るチャンスがあれば思い切ってシュートを打つ。素人の私なので、言ってる事はトンチンカンかもしれませんが、今の徳島ヴォルティスはあまりにも消極的です。どうか、前を向いてほしいです。
がんばれ!徳島ヴォルティス!