「ヨサク(国道439号)沿いの山奥に、かかしの村がある」
こんなコトを耳にしたことはありませんか?最近はだいぶ有名になっているのでご存知の方も多いはず。
当記事では、東祖谷地方にある「天空の村・かかしの里」をご紹介。
- 【画像あり】「天空の村・かかしの里」の様子
- 「天空の村・かかしの里」への行き方、おすすめルート
- 【シカと遭遇した画像あり】実際の道路状況(大歩危方面から)
などをお伝えします。
なお当日は、この「天空の村・かかしの里」でお笑いライブも行われました。その様子はコチラ。

目次
【画像あり】「天空の村・かかしの里」、実際に訪れてみた
いきなりメインコンテンツ!
まずは画像で、「かかしの里」の様子をたっぷりご堪能ください。
※すぐに画像が表示されない場合、数秒待って頂けるとパッと表示されます(ネット環境にもよります)

集落のあちらこちら、まるでかかしが生活しているかのよう。

後ろ姿だと、遠目にはおじいちゃん、おばあちゃんじゃないの?…と見間違えるほどのリアリティ。

記念撮影なら、ここでパシャリと撮るのがオススメ。

目の前の道路は国道439号。日時にもよると思いますが、行き交うクルマはこれら写真を撮影中、まったくありませんでした。


近くにある橋を渡り、川を挟んで対岸にある小学校跡には多くのかかしが出迎えてくれます。

おや?この方たちは。


4歳の息子に並んでもらうと、ちょうど良いサイズ感。

天空の村・かかしの里、綾野月美さんから始まった
かかしの里ができるキッカケは、こちらの綾野美月さんが作り始めたお父さんのかかしが始まり。

近所の方がかかしに挨拶してるのが楽しくなり、かかしづくりを続けています。2002年始めたかかしづくり、今では300体近くにもなるそう。
制作されたかかしには、どれもモデルがいるそうです。
かかしはすべて「かかし基本台帳」に記入・管理されてるというところがスゴイですね。
遊び心もある綾野さん。「このかかしは、私がモデルなのよ」。
あ、本当だ~

かかしも寿命で「お亡くなり」になる
外の吹きっさらしに飾ってあるかかしの寿命は2年ほどだそう。
厳しい風雨・雪に打たれてしまえば朽ちてしまう。傷んでしまったかかしは随時交換してるそうです。

「かかしの里」ではきちんと手入れされているので、ホラーにはなってないんですね。

祖谷地方を舞台にした映画「祖谷物語」にも、作中このようなかかしが出てきます。
ネタバレになってしまいますが、物語の後半、突如かかしが夜中にゆら~っと動き出すシーンがあり、そういうファンタジーものだとは思ってなかったので、初見ではビックリしました。
「天空の村・かかしの里」を訪れる方、わりと外国人の方が多い
「かかしの里」にある「かかし工房」では、かかし作り体験(要予約)をすることもできます。
毎月第4水曜日、13~16時 かかし工房(三好市東祖谷菅生629-5)
料金3000円 持参品 裁縫道具一式
予約が必要です 090-8659-4691(綾野さん)
上記の定期以外にも、都合がつけば…とのことなので、興味がある方は電話で直接ご相談ください
置かれていた「おもいでノート」を見ると、思っていたよりずっとたくさんの方が訪れているのが分かりました。

綾野さんによれば「外国人の方が多く来てくれてるかも」とのこと。
外国人の方は、レンタカーで慣れないこの酷道を必死に運転してやってくるそうです。
いつかは…を思うと、なんとも言えない気持ちになる
綾野さんの「かかし作り」をきっかけとして、今は一定の賑やかさを保っている「天空の村・かかしの里」。
しかし、過疎への抜本的な解決…とまではなっておらず…。
この先、10年、20年後には…を想像すると、厳しい現実が待っていることが想像できてしまいます。
ノスタルジーとは、フランス語で「過ぎ去った時間や時代、ふるさとを懐かしむ気持ち」という意味です。
意味解説ノートより引用
「天空の村・かかしの里」では、毎年10月第1日曜日に「かかし祭り」がある!
この日、「徳島住みます芸人」さんのお笑いライブが行われる30分前のコトです。
ちょうど周辺集落の重鎮の皆さんが集まって、2019年10月6日(日)に開催予定の「かかし祭り」のミーティングが行われようとしていました。
お笑いライブに備えて入場していた、よそ者の私たちでしたが、そのままそこにいてイイとおっしゃる。
なんかあったから意見してな(笑)
と。さすがおおらか。
実際にミーティングが始まると、物事が決まるのが早かった。
「毎年テーマを決めるのが大変…」
「ほれなら、大まかなものが決めておけばええやん」
「ほな、『かかしの運動会』という感じにしよか」
「今年は、玉入れ、パン食い競走、綱引きにしよか」
「設備は体育館にあるから大丈夫」
「万国旗があったら賑やかじゃない?」
「でも、飾り付けはどうする?」
「ほれ、わしがやるわ(建設会社の方)」
「なんかちょっとしたプレゼントあるといいなあ」
「ほな、ワシんところに木があるけん、切ってコースターつくっといたる、300もあればいいか?」
…という感じ。アッというまにいろんなことがドンドン決まっていくんです。
※あくまで現時点での予定ですので、変更になる可能性もあります
住民の皆さんが「かかし祭り」のコトを『自分ごと』と捉えているので、どんどん意見が出るし、自分ができることはやる…という感じなんでしょう
「天空の村・かかしの里」の「かかし祭り」、今から楽しみですね。
「天空の村・かかしの里」への行き方、詳細ルート案内
ここからは「天空の村・かかしの里」にはどういうルートで行くのがイイのか…、実際の道路状況などのご説明です。
今回のお笑いライブが行われた「天空の村・かかしの里」がある場所は、徳島県三好市東祖谷の菅生(すげおい)地区。
「すごう」だと思ってた
覚えるしかありません
「天空の村・かかしの里」への当ブログ推奨ルートです。Aは徳島市、Bはかずら橋、そしてCが「かかしの里」になります。
徳島県と高知県の県境近く、剣山の麓にあります。
徳島県は吉野川沿い、海沿い以外はほとんどが山に覆われています。この「かかしの里」があるところも山の中。
遠回りになりますが、徳島道・国道192号を通って阿波池田方面に向かう。阿波池田192号を経由して国道32号に入り高知方面へ。
大歩危駅のあるところで川を渡り、かずら橋方面(県道45号)へ。
かずら橋へは行かずにその直前で東祖谷・剣山方面(県道32号)へ。途中から国道439号に入ります。
あとはひたすら剣山方面へ…というルートです。
なぜこのような遠回りのルートを推奨するのか
推奨ルートは、徳島市から阿波池田、大歩危を通り、かずら橋付近を経由します。
徳島市からは、高速道路を使って約2時間半。一般道なら約3時間半くらいをみておけばいいでしょう。
他にも貞光から南下するルート(国道438号)も気になるけど
これらの道じゃダメなの?
特にこの439号は酷道ファンの聖地とも言われる「ヨサク」と呼ばれる道です
国道438号、439号は、通称酷道ヨサク。神山町から行こうとするとこういう道が待っている
論より証拠。
実際の道路がどんな感じかを見てもらう方がいいでしょう。
もちろん、全区間がこのような細く険しい道ではありません。道路工事は少しずつ進められているため、突如綺麗に舗装がされている区間も出現します。
例えば、木屋平のあたりはかなり綺麗に整備されています(同じ国道です)。
ただ、まだまだ細くて対面通行ができない区間の方が長いです。
神山町を越えると、道が途端に細くなり、クネクネと曲がりくねった道が延々と続き、時速30kmも出せないような状態になります。
さらに、対向からクルマが来た際、タイミングが悪いとすれ違うことができない狭い区間も多いため、バックしたり(バックしてもらったり)、道路スレスレまでクルマを寄せてスレ違う…なんて作業が出てきたりもします。
国道438号、国道439号、国道492号は、いずれもある区間からこのような険しい山道になります。
…とはいえ、「酷道」というワードが誕生した10~20年前に比べれば、ずいぶんとマシになってきてる印象。
危ない区間にはこのように一応ガードレールはあります。こういう道が好きな方なら問題はありません。
※ぶっちゃけ、ヨサクより危険な道(崖なのにガードレールなし)が、徳島県内にはいくらでもあります。あれを見るとヨサクはやっぱり国道と言えます
どちらかというと、必要とされるスキルは、こういうトコロで対向からクルマが来た場合の判断能力・幅寄せ能力・コミュニケーション能力でしょう。
- 自分がバックするのか
- 相手にバックしてもらうのか
- お礼のジェスチャーをできるのか
- しっかり道路やガードレールすれすれまで寄せることができるコトができるか
こういうコトの方が大事です。
ちょっと左にクルマを寄せ合えば、すれ違えるのに、全然左に寄せられない
って方は、山岳ルートは無理です
皆さんに迷惑をかけるだけなので、推奨ルートでお願いします。
追記 2019年6月27日 国道438号、訪問翌日には山腹崩壊により通行止め
私たちが「天空の村・かかしの里」を訪問した、2019年6月26日の夕方以降激しい雨が降り、あっさりと438号が通行止めになってしまいました。
【国道438号線 上分字府殿山腹崩壊】
崩壊場所(勘場バス停から木屋平方面に200m)
本日、6月27日(木)より全面通行止めとなります。
木屋平、剣山方面にお向かいの方はお気をつけください。
尚、国道193号~国道192号~国道492号で木屋平方面への迂回路がございます。 pic.twitter.com/wWyctUvt7y
— 徳島県立神山森林公園・イルローザの森 (@kamiyamashinrin) July 1, 2019
通行止めは長引きそうです。それ以前に、安全面を考えても、推奨ルートがやっぱりオススメです。ご参考までに。
【シカの画像あり】「天空の村・かかしの里」へ推奨ルートの道路画像
まずは大歩危方面へ。大歩危駅のそばを通り、県道45号、そして32号へ。このあたりは「かずら橋」という表示が常にあるので迷わないです。
県道45号、32号線、どちらもかずら橋までは、アップダウンやクネクネはしていますが、双方通行が可能です。良い道ですよ。
私たちは、まず普通のかずら橋に寄ってから向かいました。そのまま向かう場合はこの「秘境祖谷大橋」は渡りません。

この近くから県道32号線(東祖谷方面)に入ります。ここから約1時間です。推奨ルートからでも最初のかずら橋を越えてからは狭い区間があります。

工事中の箇所も多い。

だんだん狭くなっていきます。

特にちょっとした集落があると住宅が道路脇にせまり、道路幅を拡張する余裕がないため狭いです。

ひたすら山道を進みます。

久保地区まで来ました。あと少しです。
画像がなくて恐縮ですが、見通しの悪い区間だと両端に「対向車あり」というお知らせ電光掲示板が至るところに設置されています。
この掲示板があるので、狭いところ、見通しの悪いところで「にらめっこ」…という事態はかなり避けられます。


拡大してみましょう。シカが出てきました。こっちのクルマを見たらピョーン、ピョーンと逃げていきました。

そんなこんなで「天空の村・かかしの里」に到着です。駐車するところに迷うかもしれませんが、国道沿いに「かかし工房」があり、そこは10台ほどのスペースがあります。

かかしの里を訪問する際はコチラに駐車しましょう。

「天空の村・かかしの里」、時間さえあれば訪れて、ノスタルジーに浸ってみてください
秘境…といっても、かずら橋方面からは舗装工事も随時行われており、安全運転すれば大丈夫です。
この先は10分もすれば超オススメの「奥祖谷二重かずら橋」があります。さらに行けば徳島のシンボル「剣山」。少し手前には急斜面に集落がある「落合集落」。
徳島に移住して8年。念願の祖谷地方を訪問することができました。
視界に入る風景全てが新鮮で、目を奪われました(運転は安全にきちんとしましたよ)。
「天空の村・かかしの里」。楽しくもあり、先のことを考えると少し寂しくもなるノスタルジックな場所です。
訪れれば、何かしらを感じるコトができる場所ではないかな…と思いました。
安全には気をつけて、ぜひご訪問ください。
施設名 | 天空の村・かかしの里 |
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住所 | 〒778-0201 徳島県三好市東祖谷菅生191 |
駐車場 | かかし工房前(当記事に画像あり) |
備考 | かかし作り体験あり(要予約・当記事内に記載あり) |