徳島県庁前にある「ホテルたいよう農園」をご存知ですか?「ホテルたいよう農園」は只者ではない社長が経営。
孫正義さん、三木谷浩史さん、最近ならZOZOの前澤友作さん、これらのすごい経営者に共通していたのは、まだ会社が大きくなる前の時点では「言ってる事がデカすぎて、一般人は話についていけなかった」という点。
「ホテルたいよう農園」を経営する「株式会社たいよう農園」の本田幸久社長にも同じニオイを感じました。
全国的な知名度はまだない「ホテルたいよう農園」ですが、本田社長なら本当に10年後には60店舗を構え、東横インやアパホテルのように、誰もが知っているホテルチェーンになっている可能性も十分。

当記事では、前半はホテルのご紹介、後半は本田社長のインタビューや今後の構想などを掲載しております。ぜひご覧ください。


目次
農園がホテル経営!?
徳島市内、徳島県庁前。オレンジ色で目立ってるのが「ホテルたいよう農園」。

ホテルたいよう農園 徳島県庁前店
この看板の主は「ホテルたいよう農園」。本田幸久社長が代表を務める「株式会社たいよう農園」が運営しているホテル。
ホテルの目玉は農園の野菜やお肉を使用したボリュームたっぷりの朝・夕食のバイキング
農園がやってるホテルなので、食材はいくらでもあります。ホテルたいよう農園の売りの一つは朝食バイキング。
というホテルたいよう農園「赤字食堂」で振舞われる、ボリュームたっぷりの朝・夕食のバイキングのご紹介。

現在、徳島県庁前店の赤字食堂は愛媛のたいよう農園から配送される食材と、一部はここ徳島からも食材を仕入れてるそう。
数年後、高知県、香川県や徳島県に「ホテルたいよう農園」支店が4~5店舗が出来た時には全店舗に、自社で生産した食材を自前の物流網で運ぶ計画、だそう。
これがホテルたいよう農園の目玉!赤字食堂
実に宿泊客の80%が、こちらの朝食を召し上がりになっている大好評の「赤字食堂」。
ホテルが赤字になるくらい食べてもらっても全然OK!という事からつけられた、面白い名前の食堂。
実際の画像を見てもらった方が伝わると思いますので、しばらくは画像中心で赤字食堂の風景や、朝食メニューをご堪能ください。










美味しそう。
食事のメニュー内容は、季節ごとはもちろん、日替わりでも少しずつ変わるそうなので、連泊のお客様でも毎日お食事を楽しめます。
徳島県庁前店は夕食もバイキング形式。
夕食用のメニュー内容になって楽しめます。夕食もフリーのお客様も可能との事(満席の場合お待たせする事があるので予約をした方が間違いなし)。

「ホテルたいよう農園 徳島県庁前店」客室も見せてもらいました
「ホテルたいよう農園 徳島県庁前店」の客室もバッチリ見せて頂きました。
当ホテルの建物は築33年ほど。古さを感じさせないよう、細かいリニューアルを重ね、2020年には大規模修繕を実施。
セミダブルベッドが嬉しいシングルルーム

シングルルームはノーマルな造り。ベッドの大きさはセミダブルで大きくて嬉しいです。天井も高いですし、ドアまでの通路幅もしっかりと確保されているので解放感がありますよ。
そんな中で「これは嬉しい!」と思ったのがコレ。ホテルたいよう農園は全室ベッドにUSBポート付きコンセントが標準装備されているんです。USBコードさえあればスマホ本体の充電が出来ちゃうので、ありがたいですね。
もちろん、全室無線Wifiが無料で利用できます。

小さなお子さま連れに喜ばれそうな小上がりツインルーム
ホテルたいよう農園のツインルームには「小上がり」のお部屋があります。

小上がりというのは、このように部屋の中で一段上がったエリアの事。この小上がりツインルームの良いところは、高い段差のあるベッドではないので、もし寝具から落ちたとしても段差は20cm程なので大怪我をする心配がないところです。

このお部屋なら、小さなお子様連れのお客様でも利用が可能です。当記事を書いている編集者も三歳の息子がいますが、家族旅行の際は自然と「和室」の宿泊先を探していました。ですが、この小上がりツインルームなら、乳児を寝かせるのに十分な余白スペースがあります。
また、子供が3~5歳と少し大きくなっても保育園のお昼寝タイムに使うような小さな布団セットを持参すればお子様が眠れるスペースを確保できますよ。親子で川の字になって寝てみても楽しそうです。
和室、洋室の良いところを合わせたような小上がりツインルーム。自信を持っておすすめします。

アメニティも使い放題
ホテルたいよう農園はアメニティグッズもとても豊富。もちろん、どれだけ使用してもOKです。

「ホテルたいよう農園」気になる宿泊料金について
気になるのが「ホテルたいよう農園」の宿泊料金。朝食バイキング付きでシングルが約5800円(税込)ほど。
曖昧な言い方になっている理由は、今はインターネットで宿泊予約をされる方がほとんど。予約サイトも楽天トラベルやじゃらん、一休などいくつもあります。
各サイトにそれぞれ特色があり、曜日によっても宿泊料金が変わりますし、早期に予約すると安くなったり、期間限定でお得なプランが登場する事もあるから。
例えばセミダブルベッドを二人で利用するプランなら、お一人あたりの宿泊料金がかなり安くなります。
じゃらんを見てみると、当日限定や早割りでさらにお安くなって朝食付きでシングル4700円(税込)なんて事も。ただし、これらは不確定要素満載なプラン。「ホテルたいよう農園」で泊まろうと思ったら、お早めの予約がオススメ。
「ホテルたいよう農園」の宿泊料金を見比べてみると、ビジネスホテルなので、平日よりも土日の方がお安くなってる傾向です。
徳島への観光や徳島ヴォルティスと対戦されるアウェイ観戦のサポーターの方にもおすすめのホテル。
ホテルたいよう農園は駐車場完備!徳島では駅前ホテルは駐車場がなくて不便なことも
「ホテルたいよう農園 徳島県庁前店」では別料金にはなりますが、平面駐車場が43台分確保されていて、かつ何度でも出入り自由。
駐車場つきプランも各宿泊サイトで出てます。
「ホテルたいよう農園 徳島県庁前店」は国道11号からわずか100mの立地。お車でのご利用が便利。
徳島の県北、県南、県西、どこへでも行きやすい立地です。
駅前のホテルって交通網が発達している都会なら便利ですけど、少し郊外に出たら車が必須となる徳島ではむしろ不便です。
駅前にあるホテルは、駐車場がタワー型で出入りに時間が掛かったり、駐車場を自分で探す必要があって駅前周辺をグルグル回って探したり(しかも駅前は駐車場代金が高い!)しなくてはいけません。
徳島においては「徳島駅前で便利です!」…が当てはまらないことも。
「ホテルたいよう農園 徳島県庁前店」のおすすめポイントまとめ
- 赤字上等!原価計算をしていない、バイキング形式の朝・夕食
- 国道11号から100m、車なら徳島県のどこに行くにも便利な立地
- ホテル周辺に平面駐車場43台確保(出入り自由)、車で来れるホテル
- リーズナブルな宿泊料金
- 使い放題のアメニティグッズ
- 全室ベッドにUSBポート付きのコンセントあり
- 小さなお子様連れにも便利な小上がりツインルーム
- 全室無料Wifiあり
- 無料レンタルサイクルあり(先着順)
- バイク用駐輪場あり
- コインランドリーあり
- 1~2年以内に大規模改装を予定(古さ解消)
たいよう農園 本田幸久社長にお話を聞いてみた
お待ちかね、本田幸久社長の登場。
取材当日、たまたま本拠がある愛媛県から本田社長が打ち合わせのためにこの徳島県庁前店に来られてました。お忙しい中、インタビューをご快諾頂けました。
これまでの日本の農業は規制されていた
…が、ここ10年ほどで法律が変わって、農家、農園が広大な農地を持てるようになったんです。つまり農業がビジネスとしても成り立つ、儲ける事ができるようになったという事です
農業を発展させる事は、国や地域社会のためにもなる、それなら農業・農園をやってみようかな…と
それまでの農家・農園というのは、一言で言うと、法律で〇ヘクタールまでしか農地を持ってはいけない…という感じで規制されていたそう。
私はそのイメージを変えます!
その一歩として「農園でもホテル経営してるよ」と、誰でもすぐにわかる広告塔としてホテルを持ったという側面もあります
現在たいよう農園のグループ会社では養豚をしています。
そこで出た堆肥で野菜を作る、さらにその野菜やお肉を自社が経営するホテルの食事として振舞う、という自社で完結する「六次産業化」の循環型事業を目指しています。私は自前の物流網も持ってるんですよ
株式会社たいよう農園はお金を持っている
株式会社たいよう農園って、農園なのに資本金6,000万もあるんです。しかも資本金は本田社長の自己資金。お金持ちなんです、本田社長。
現在工事中で来年の初め頃にはオープン出来ると思うんだけど、松山市の二番町(注:松山市の街中ど真ん中です)に、新築でオープンさせますよ
自分を追い込むとか、そんなつもりは全然ない
農園としては何か計画はあるのですか?
彼女たちが、「ホテルたいよう農園」で使用する野菜やお肉を、いずれ全部作ってくれれば、と思っています
けっこうな広さのビニールハウスももうできてるんですよ
農地はうちが与えるから、あとは自分で社長として独立してもらって、うちに野菜を売ってくれればという感じですね
ホテルを増やすこと自体は全然難しい事じゃない
やろうと思えば今から1年以内に10店舗増やす事だって可能です。でも、あまりにも成長が早すぎて中身がついてこないんじゃ意味がないですよね。ですから、これから3年くらいは1年に1店舗くらいのスピードで増やしていきます
こうして5年くらい経ってホテルとしてきちんとした基盤が出来た時点で、一気に10店舗、20店舗と増やしていけば、と考えています
地方の人手不足問題もうちには関係ない
でも、人材はどうされるんですか?今や地方はどこも人手不足ですよ。ホテルは建っても人がいないから営業できません…なんて事にはなりませんか?
うちは完全シフト制、休みもちゃんとあって、ほぼ残業がゼロ。わかりやすいマニュアルがあって順守してもらってます。「入った日から働ける」というのを謳い文句にしてるくらいのホワイト企業なんですよ、うち
例えば、4月にオープンした古三津店のスタッフを集めている時もエビデンスとして…
それに新規オープンというのは人を集めやすいって側面もありますよね。なんかね、こういう話を全部するなら二日くらい欲しいですね、ハハハ
このあたりから本田社長の独壇場に…
保育園併設ホテルの構想
本田社長は普通のホテルだけじゃなくて、ホテルと同じビル内に、あるいはホテルすぐ周辺に保育園を作りたいと考えてらっしゃるそうです。
- 10階建てホテルの2階部分を保育園にする
- ホテルの従業員として保育園にお子さんを預けている親の方に働いて頂く
- 人員配置も通常10名で回せる仕事なら、さらに多くして15名にする
- お子さんが急に体調を崩したりしても、気兼ねなく早退したり、欠勤する事が出来る。乳児を預けてるお母さんなら、授乳ももちろんOK
- 本来10名で回せる仕事なのだから、15名揃った場合は通常よりも1時間は早く業務を終了してもらう(実際はもっと早く終わりそう)
- 全体として会社側が支払う給料の総額は少し増えるだけにとどまる
…という理屈です。

このスキームが狙い通りにいけば、小さなお子様がいる主婦の方も、変化しやすいお子さまの体調に合わせて働く事ができる、そしてホテル側としても人手不足の心配をしなくても良くなりますよね。
民設公営の保育園事業モデル
さらに、この保育園の運営はその地方の自治体にやってもらう、というのです。これは『民設公営』と言って、お金のない自治体に代わってハコは民間(ホテルたいよう農園)が作る、その代わり運営は自治体が担う…という仕組み。
今の日本の地方自治体には、とにかくお金がありません。
税金で新たにハコを作る事に地方の住民はすごく抵抗があります。また、地方はどこもホテル不足。その二つの問題点を一気に解消するのが狙い。
一方、保育園の運営を自治体にやってもらう事=自治体がテナントして入店するという事になります。ホテル側としては1フロア分の賃貸料を頂く事で安定経営に繋がります。
ホテルは利益が出るから自治体に税金をきちんと納める事になるし、自治体としても新しいホテルは出来るし、保育園不足の解消、小さい子供がいるお母さんの雇用促進にもなり、ホテルにとっても人手不足の心配がなくなる…と、その地域社会のためにもなるイイ事づくしの計画です。
ホテル→利益が出る、人不足問題からの脱却
自治体→税収を得られる、ホテル不足・保育園不足の解消
親御さん→育児中でも働ける、すぐお迎えに行ける
もちろん、全てがこの机上の計算通りにはいかないでしょうし、保育園とホテルが併設する事によって生じる想定外のトラブルがあるかもしれませんが、とても夢のある仕組みだと思いました。
納税する事は企業の義務
愛媛への帰り支度をしながら本田社長が話してくれました。
私は企業に課せられた義務は、利益を出して少しでも多く納税をする事だと思っていますよ
それじゃ!バタン(ドアの締まる音)
ホテルたいよう農園の社長は面白い
ここまで読んで下さった皆さん、ありがとうございます。
面白い社長でしょう。本当はもっとすごい構想が本田社長にはあるんだろうな、と私は感じました。
2022年現在38歳の本田社長。これからまさに気力、体力の充実期を迎える年齢です。
- やろうとしてる事は世の中のためになる
- 本人はやれると確信している
- なんでか分からないけど、妙な説得力がある
- お金を生みだす、どこからか引っ張ってくる才能がある
- 若い
どうでしょう?冒頭でお名前出した孫正義さん、三木谷浩史さん、前澤友作さんたちが世に出た時のイメージと似てませんか。
今でこそ偉大な経営者…という地位を築いている方々ですが、最初はそれこそ「この人すごいぞ」「あいつはビッグになる」という声の一方で、「何言ってるんだこの人」「話がでかすぎてついてけんわ」みたいな扱いも受けてませんでしたか?
私は、本田社長がこれらの経営者さんたちと、肩を並べても全然不思議はないなぁ…という印象を持ちました。
農園と名乗りながら、社長からそんなに農業の話が出てこなかったじゃないか…という方もいらっしゃるかもしれません。
確かに本田社長自らがトラクターに乗って、畑を耕す…という事は(たまに息抜き程度にするかもしれませんが)基本的にはないでしょう。
でも、ホテルの経営拡大や農業女子プロジェクトなどによって、循環型の大規模な農業事業を作りだし、儲かる農業にする、農業人口を増やす、そういったもっと大きな視野、大きな資本でもって本田社長は日本の農業の発展、国を耕す事を考え、実行されていくのだと思います。
ホテルたいよう農園の今後から目が離せない
「ホテルたいよう農園 徳島県庁前店」の取材に行ったつもりだったのですが、昨年7年前に自分が起した会社が儲からなくなって解散、清算(税金はちゃんと最後の均等割りの月割りまで支払いましたよ)したダメ経営者だった私には、ちょっと耳の痛いお話をされてしまいました。
でも、本田社長が話す言葉はどれも本気だし全然嫌味がないんですよね。ですからとても楽しくお話を聞く事が出来ました。
私がスケールのでかい人間だったらもっとインタビューも盛り上がっていたと思うので、その点で自分の器の小ささが残念。
株式会社たいよう農園の本田幸久社長、ホテルたいよう農園徳島県庁前店の小笠支配人、大変お忙しい中、貴重なお話を聞かせて頂きまして本当にありがとうございました。
「ホテルたいよう農園」のより一層のご発展と、なるべく早い段階で徳島県2店舗目のオープンを待ってますよ!


