徳島県那賀町木頭(旧木頭村)で2020年4月24日にOPENした「未来コンビニ」。
これまでは最寄りのコンビニまでクルマで約1時間掛かっていた…というこの町に、地域住民待望のコンビニができました。
- コンビニらしからぬスタイリッシュな外観
- イートイン・カフェブースあり
- 名物「ゆずソフトクリーム」
- ベビーベット完備。バリアフリー対応の「誰でもトイレ」
- 地元木頭の名産品を使った商品、お土産を取り揃え観光客にも対応
- 何よりも地元の方の暮らしに役立つ「コンビニエンスストア」としての基本機能
- 人と人を繋ぐ地域の架け橋として
買い物難民という言葉が珍しくなくなった今日、このお店が地域で果たす役割は大きくなっていきそう。
買い物困難地域での新しいモデルとしても注目されそうです。どんなお店なのか気になったので、取材させて頂きました。
当時はコロナ禍。
事前にご相談させてもらった上で訪問・取材させて頂きました。
目次
これが「未来コンビニ」。外観、内観、トイレ、商品など
まずは気になる「未来コンビニ」の外観や内観などをズラリとご紹介します。
※店内での撮影許可・当ブログへの掲載許可を頂いております
未来コンビニ外観
なんと言っても目を引くのがこのスタイリッシュな外観。
モノトーン的な配色の中で唯一使われているカラーである「黄色」は、もちろん木頭ゆずの黄色がイメージとのこと。

建物のまわりには、ご覧のような大きめのウッドチップが敷き詰められており、近未来的な建物ながら温かみも感じさてくれます。

入口側から撮影。
黄色くカラーリングされた幾何学的な形状の柱が、等間隔で店内まで伸びてます。近未来的なイメージで「未来コンビニ」の名前ともマッチ。

外観の撮影中、真後ろの道路にサルが出現。

未来コンビニ内観
店内はこんな感じ。当店の母体でもある「4 PARK CAFE KITO」や関連グループの取り扱い商品が入口付近に陳列されていた。

そのあとしばらくは通常のコンビニと同じような商品が並んでいます。

画像の一つ向こうの棚、一番低いところは駄菓子スペースのようになっており、小さなお子様でも買い物が楽しめるような仕掛けになっていました(撮影し忘れてしまった…黄色いケースです)。
お子様でも楽しめるお店になってます

ドリンク類もしっかり。アルコール類も充実しています。


通路が広いので車椅子の方でも買い物が楽しめる。

カフェスペース・イートイン
店内の奥にはイス・テーブルが用意されており、カフェスペース・休憩エリアとして使用が可能だ。

奥の大型テレビでは木頭の美しい自然や特産品・地域で活躍する人などを紹介する動画が楽しめる。

お水もサービスで提供中。

だれでもトイレ(バリアフリー対応・ベビーベットあり)
山間部のコンビニでトイレを貸してもらうことって多いと思います。
今はコロナ禍で県をまたいだ往来は自粛が求められておりますが、本来ならばこの国道195号は徳島県と高知県を繋ぐ一般道での主要ルート。
この近辺はトイレを借りられる場所が少なかったので、そういう面でもありがたい。
二つある未来コンビニのトイレのうち一つは、「だれでもトイレ」と名づけられている。

バリアフリーに対応しておりクルマ椅子の方も利用可能。ベビーベットも備えられているので乳児連れの方にも助かる仕様になっている。
内部はこんな感じ。

ベビーベットスペース。

トイレ気になるマンの私としても、文句なしのトイレです。
木頭ゆずを利用した関連グループのオリジナル商品
未来コンビニは基本的には買い物難民になりつつあった、地域住民である「木頭」の方向けに設立された施設。
しかし、高知への交通要所でもあるので観光客向けの商品も並んでいます。
「4 PARK CAFE KITO」自慢のオリジナル商品。

系列グループのひとつ、「黄金の村」商品も並んでいます。

人気商品の「きとうゆずサイダー」。

「寒サバ木頭ゆずサバ煮」。

お土産もここでお求め可能。

国道195号は高知県高知市、那賀町を経由して徳島市かちどき橋(国道55号と重複)に至ります。
四国の国道というと、国道439号(よさく)のような「酷道」をイメージされる方も多いと思います。
しかしこの国道195号は狭い区間は、那賀町折宇に2~3kmを残すのみ(この区間もすれ違い程度は問題ない広さがある)で、あとは片側1車線が確保されており、なかなか快適なドライブが楽しめる道路です。
徳島県側から走行すると、この未来コンビニを過ぎたあたりから四ツ足峠(トンネル)に向かい、いよいよ高知県に入ります。紅葉の名所「高の瀬峡」にも近い。
このあたりはコンビニがなく、道の駅などもない区間だったので、コロナが落ち着いたあとは国道195号・徳島高知県境付近のオアシスになること間違いありません。
未来コンビニは「ヤマザキショップ」が協力してる
未来コンビニはコンビニエンスチェーンの一つ、「ヤマザキショップ」の協力を得ています。

ここまで来てくれるのはヤマザキだけかも

ヤマザキのトラックと言えば豪雪時の「神対応」などでも知られています。

ヤマザキは他の大手コンビニと違って各店舗に裁量権が任されてる部分も多いよう。
この未来コンビニも、ヤマザキの協力がなければ実現できなかったかもしれません。
「未来コンビニ」の店員さんインタビュー
お話しを聞いた店員さんは岡山県岡山市のご出身。ご本人曰く『旅人』だったそうで、世界中を旅していたそう。
ふとしたことで、外国人の友人からこの木頭の事を教えてもらい、プロジェクトの事も知り、移住を決意されたそう。
商品やサービスも自分たちで考えた…というお店はまだOPENしたばかり。

まだまだ業務に慣れる…とまではいってないようですが、その笑顔からはとても充実感が伝わってきます。
そういったお店との関係ってどうなんですか?
店員さんによれば、未来コンビニのことはもちろんお伝えしてあり、応援もして頂いている…とのことでした。
木頭の人やお店といい関係で…という部分は、やはり大切にされてるそう。

未来コンビニは、木頭での生活が長い方が2名、そして店員さんのように移住されてきた方が3名、計5名の方が中心となって運営していくそう。
そのうち、地元のコや育児中の方が短時間アルバイトで来たり…という感じで人が増えていくといいですね
いい意味でスタッフさんの負担が軽減されることを願っております。
未来コンビニは地域住民の架け橋に
未来コンビニは、コンビニとしての事業はもちろんですが、人と人を繋ぐ役割も担えれば…と考えているそうです。
東西に24kmと長い旧木頭村。知り合いでも全然会わないことも珍しくないそうです。この日も見かけましたが、地元の方同士が
「お、久しぶりやな」「最近何しよん」
とコンビニ内で路地端会議。こんな光景も未来コンビニでは当たり前になっていきそう。

「未来コンビニ」名物、ソフトクリーム
「未来コンビニ」名物「ソフトクリーム」

夏に再訪問してついに食べられたのです。ゆずの風味がお口にフワッと広がります
未来コンビニのソフトクリームに使われている牛乳は、24時間自然放牧した乳牛から採ってるそうでまさに「天然の牛乳」。濃厚ですっきりした味わい。

木頭は来年にはマンガ図書館(マンガライブラリーホテル)などのOPENを控え、ますます面白くなりそう
未来コンビニは「4 PARK CAFE KITO株式会社」が運営。一号店は徳島阿波おどり空港内の「4 PARK CAFE KITO」カフェとして既にOPEN済み。
これらは木頭出身で株式会社メディアドゥ社長・藤田恭嗣さんが進めているプロジェクト。
藤田さんは出身地である、ここ木頭の地域振興・地方創生(それに徳島県も)に力を入れてます。
当記事でレポートしてる「未来コンビニ」の他…、「CAMP PARK KITO(HP,Facebook)」、「ファームパーク木頭(予定)」、「柚子パーク木頭(予定)」などがあります。
目玉企画!?マンガライブラリーホテルが楽しみ
そんな中、筆者が一番楽しみにしているのは…「マンガライブラリーホテル(マンガ図書館)」です。
マンガ図書館構想は2017年から公表されている事業。
当初は未来コンビニの近くにあった「旧北川小学校」を再利用する予定だったのですが、耐震性や湿度管理の問題で校舎が本の保管には適さないことが判明、小学校近くの土地を利用して新規建築されることなったそう。
木頭は日帰りで行って行けないことはないけど、1~2泊した方が満喫できる…ということで、この「マンガライブラリーホテル」も滞在型マンガ図書館となる予定です。

ちょっと目が疲れたら川のそばをブラブラしてリラックスしたり、この未来コンビニによって休憩もできそう
藤田さんが進めるこれらの事業。
単なるハコものではなく、それ以外にも「人」や「もの」「技術」が付随してくるところが従来の単純な町おこしとは異なる点です。
※ちなみに旧北川小学校は「柚子パーク木頭」の農泊施設になるそうで、なんとか活かそうとされてます
未来コンビニはまだまだこれからの事業
個人的な感想ですが、未来コンビニはまだまだこれからの事業だと思いました。
普通のコンビニではとても建てられないような場所に建ててるわけですし、周辺住民の人数が少ないので、通常のコンビニのようにお店単体で黒字に持っていくのは非常に困難でしょう。
しかし、目玉の「マンガライブラリーホテル」を始め、藤田さんのパーク構想が全て完成すれば、それらのお客さんが買い出しのためにこの「未来コンビニ」へ訪れることでしょう。
また、コロナ禍が収束すれば、ツーリング客や高知県側の住民の利用も増えてくるかもしれません。
また、未来コンビニからの配達を委託したり…なんてことを考えてみても面白いかも…(ウーバーイーツ的なイメージ。これは賛否ありそうですが)。
「未来コンビニ」まとめ
以上、木頭にできた「未来コンビニ」の簡易レポートでした。
本来ならば、「KITO DESIGN HOLDINGS」グループTOPの藤田恭嗣社長も来店してオープニングイベントを催す予定もあったそうですが、コロナ感染拡大に伴いとくに告知・イベントはせずに開店する「ソフトオープン」となりました。
現在はコロナ禍なので、徳島県在住でも県北などにお住まいの方が、このお店の訪問だけを目当てに訪れることは避けた方が無難かもしれません。
店舗名 | 未来コンビニ(公式HP)(facebook)(Instagram) |
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住所 | 771-6512 徳島県那賀郡那賀町木頭北川いも志屋敷11-1 |
電話番号 | 0884-69-2620 |
営業時間 | 8:00~20:00 |
定休日 | 木曜日 |
駐車場 | 一般車両9台、身障者用1台 |
