(2021年8月28日追記)
「社乃森」は長引くコロナ禍の影響で旅館業を廃業…。
しかし施設を完全廃業するのではなく、人気を博していた「平安貴族体験」などを楽しめる施設へと生まれ変わりました。
以下、旅館業当時の記事になりますが、平安遊びなどの項目は今後も参考になると思いますのでそのまま残しておきます。
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徳島の方ならその名前を耳にした事があるかもしれません。
徳島には平安時代の宮廷を再現、十二単を体験できる宿「社乃森(公式HP)(やしろのもり)」(以降、社乃森)があります。
実は私、一度だけですが「社乃森」に泊まった事があります。

このページでは「社乃森」でのおすすめポイント
- 「非日常」に浸りきれる
- 建物は「平安時代風」というレベルではなく、本物そのもの
- 十二単など平安衣装を初体験
- 温泉がトロトロで最高(旅館業廃業により、今は入れない模様)
など、実体験したうえでの感想をレポートします。
当レポートの内容は、実際に宿泊した2014年当時のものです。
あれから結構な月日が流れておりますので、現在の様子とは異なる場合があるかもしれません。ご容赦ください。
目次
「社乃森」は土成町の奥、御所(ごしょ)にある
土成インター出口から、国道318号線を引田方面に進むと、「御所(ごしょ)」という場所があります。
そこには平安時代に宮廷を再現した宿、「社乃森(公式HP)」があります。
ココからさらに進むと土成名物「たらいうどん」のお店が集まります。もし、たらいうどんのお店が見えたら行き過ぎてますからUターンをお願いします。
そもそもどうして「社乃森」に泊まることになったのか
「社乃森」はぶっちゃけ宿泊料金がまあまあします。
公式HPによれば、特別室は一泊二人一室で79,000円。一般室でも一泊二人一室で39,500円。私達は奮発して特別室に泊まりました。
普段、旅行に行く際も極力安いビジネスホテルを「ここでもない、あそこでもない」と探し、一人3,000~4,000円のところに泊まる事がほとんどでした。
では、なぜそんな私達がそれなりに宿泊料金がかかる「社乃森」に泊まったのか。
新婚旅行と言えば、まず候補にあがるのは外国旅行。国内だとしても九州、北海道をリッチに周回…というプランが定番だと思います。
しかし、当時の私は自分のお店を経営しており、お店の定休日である日曜日と、信頼できるパートさんが二人揃っていた月曜日の午前まで…が休みの取れる精一杯の日程だったのです。
そのため遠方に出掛ける事が出来ず、どうしたものか…と思案しているうちに妻が
と言い出し、何それ?となりまして…。イロイロ調べてみて
新婚旅行はそこでOKとしてくれるようだし、非日常に浸れそうだし、社乃森でいいか!
ということで、「社乃森」が我々の新婚旅行となったワケです。
普通の新婚旅行なら、おそらくもっとお金が掛かっただろうし、何よりも時間が掛かってしまいます。
特別室は一泊79,000円しますが、それで新婚旅行とさせてくれたうえで、月曜日の午後にお店に戻れるならイイじゃん、という事だったのです。
妻に感謝です。

気になる「社乃森」の内部をご紹介
社乃森の内部はこんな感じ。
右側の建物がフロントというか、玄関というか、そんな役割のところです。
お社のような建物は「御所阿波宮」といって、きちんとした神社だそうです。旅館の中にお社があるなんてスゴイ。

寝殿造りの長い廊下
気取って背筋を伸ばしつつ、しずしずと歩いた事を思い出します。

造りが本物そのものなので、雰囲気も本物。

平安時代を再現した中庭
四方を香川県との県境に近い山に囲まれた中に、そこだけポツンと開けた空間が「社乃森」です。

貴族気分に浸れる、赤い橋。

「社乃森」の温泉はトロットロでとても良い(旅館業廃業により、今は入れない模様)
私達が泊まった日、なんと宿泊は私達一組だけだったので、「社乃森」の大浴場の温泉が貸し切りになってしまいました。ラッキー。
※普段は女性優先の交代制です(現地で時間帯などを説明されます)
広い更衣室。貧相な身体の私はいつも温泉などでは、小さな身体をさらに小さくして着替えてましたが、この日は貸し切りなのでノビノビと。
奥にはヤマダ電器なんかで展示されてるような、かなり高級なマッサージ機もありまして、1時間くらい揉んでもらってました。

コチラの温泉、普段は例え夫婦でも一緒に入ることは出来ないのですが、この日は貸し切り状態でしたので、特別に男性の私も一緒に入る事が出来ました。

社乃森って、どうしても「平安時代」「平安貴族遊び」という面がクローズアップされがちじゃないでしょうか?
でも、この温泉があなどれない。本当に良かったです。
『あの何とも言えないトロトロの温泉が良かったな~』
という印象が最初にきます
「旅殿 御所 社乃森」の温泉は肌の弱い私でも大丈夫だった(旅館業廃業により、今は入れない模様)
私は肌が弱く、刺激の強い温泉だと1分も湯船に入れないところもあるんです。
さらに温泉に入ったあと、しばらく経ち肌が乾燥してくるとボロボロ&カサカサ状態になってしまったり…。
でも、こちらの「社乃森」の温泉はとても泉質が優しく、肌に膜が張るような感覚のトロトロッとした感じの温泉でした。上手く言えないのですが水が柔らかいというか…。
けっして温泉の濃度が薄いとかそんなんではなく、ちゃんとしっかりとした温泉なんだけど肌に優しい…。そんな感覚でした。
泳げるくらいの広さがあるので、平泳ぎをしながら遊んだのも覚えております。
「旅殿 御所 社乃森」で十二単を体験
「社乃森」の売りは建物だけじゃなく、宿泊人も平安衣装などを着せてもらって実際に平安貴族になりきれてしまうところです。
「平安装束着付け体験プラン」というのがあります。
私、烏帽子(えぼし)をこの時生まれて初めてつけました。

妻はハイテンションで終始ニコニコ。
他にお客さんもいなかったので、ここまで来たらつべこべ言わず、はっちゃけた方がいいや…と開き直り、平安貴族になりきりました
「社乃森」のスタッフさんも、こちらの事を
などと呼んでくれるので、ムードも盛り上がります(笑)。
気になる衣装をどうやって着るのか…という点ですが、貴族のごとく立っていればOK。係の方がお上品に至れり尽くせりで着せてくれますので心配ご無用。
「旅殿 御所 社乃森」で平安遊びを体験
平安装束を着るだけでなく、実際に平安貴族がたしなんでいた「平安遊び」を体験する事も出来ます。
聞香(もんこう)
これは「聞香」。お香の香りを当てて楽しむ遊び。

鼻が効かない私はサッパリ…。鼻がよく効く妻はかなり当て、妻の圧勝。

投扇興(とうせんきょう)
こちらは投扇興。読んで字のごとく、扇を投げて遊びます。

扇を投げて目標物を落とす。落ち方や、落ちた時の図によって得点が変わります。
扇の飛び方が不規則なので難しく、最初の5回は妻が一度、私はゼロ…。ぐぬぬ。
しかし、投げ方・扇の飛び方のコツをつかみ、後半の5回はなんと4回も的中!扇の上に目標物が乗るという高得点のパターンも飛び出して、逆転で私の圧勝でした。
ここは私が面目を保ちました。
お待ちかね「社乃森」の寝所
「社乃森」といえば何と言っても、この寝所が印象的ですよね。

くどいようですが、社乃森のすごいのは似せたとかそういうレベルじゃなく、本物そのものだというところ。
この寝所はやはり女子の心を鷲掴みにするようで…妻も大興奮。

でも、こういうのは雰囲気ですよ。雰囲気が第一!
妻が喜んでたので良かったです。
実は「社乃森」にはテレビがない
ちなみに「社乃森」の客室にはテレビなどという、汚らわしい俗世を想像させるものはございません。平安時代にテレビなんてありませんもんね。
見たいテレビ番組がある人は、きちんと自宅で予約セットを忘れないように。
ここまで来てテレビ…なんて野暮なことを言ってはいけないのです。
「社乃森」は他にもイベントが
私達のときは、係の方が雅楽や神楽舞を踊ってくれたりもしました。
シャン!シャン!という鈴の音が静かな館内に響きます。
けっこう長くて20分くらい踊ってくれてたような記憶があります。
私たち二人だけのために踊ってくれるので申し訳ないくらいですが、非日常的な気分に浸れました。

ご飯もおいしゅうございました。夕食の画像が探してもありませんでした。
たぶん二人とも「うおおお~」と食べるのに夢中で撮ってなかったんだと思います。
こちらは朝食。

HPで確認すると、季節ごとに催しがあるので、事前に調べてその日に予約を入れるのも手ですね。
「社乃森」の部屋は2タイプある
「社乃森」のお部屋には二つの種類があります。一般室と特別室です。
「旅殿 御所 社乃森」の一般室と特別室の違い
一般室…全部屋50畳以上。和室居間+広縁+着替の間、シャワー、お風呂、トイレ(ウォシュレット)、洗面台2か所
特別室…最高級木頭杉使用内装、特別室特注内風呂、特別室専用庭付きです。
設備等は、一般室に準じます。
一言でいうと、特別室には高級な内風呂とお庭がついてきます。
結果的に私達は内風呂も使わなかったし、専用庭にも行かなかったです(汗)。
私達は特別室である理由の内風呂も専用庭も全然使わなかったから、一般室でも良かったかな~とも思わないでもありません。
ただ、内風呂で心ゆくまでのんびりと個室温泉の気分を味わっても良かったと思います。
振り返ってみると、私たちはたまたま大浴場が貸し切りになってしまったので、内風呂に入る必要性が消えてしまったんです。
大浴場が借り切り状態じゃなかったら、きっと内風呂も使ったと思うので、このあたりはめぐり合わせかと。
部屋着も肌に優しかった
部屋着はこんな感じ。
この部屋着がまたイイんです。
十二単ほどの派手さはありませんが、イイ素材を使ってるのか見た目と違って全然肌がチクチクしなくて良かったです。

「社乃森」は、ネット予約も可能
私はお宿に電話をしてこの「社乃森」に宿泊しました。
当時から既にあったのか、その後変わったのかわかりませんが、今では手軽に「るるぶトラベル」でネット予約も可能。値段的にはほぼ変わりませんが、電話で予約するのと違ってポイントがたまるのでオススメです。
よく分からないのが、るるぶだと「特別室」の設定がない?ような事。なんでないんだろう。
一般室で構わない…という事であれば、るるぶトラベルからサクッと予約しても大丈夫です。
特別室が気になる方はお電話で確認した方が良いでしょうね。一般室でも十分に贅沢な気分は味わえますよ(特別室と一般室の違いは本文にあり)。
平安時代にタイムスリップ
「社乃森」まとめ
以上、平安貴族になれる「旅殿 御所 社乃森(やしろのもり)」のご紹介でした。
この記事を書くために当時の写真を久しぶりに振り返ったのですが、楽しかった事を思いだし、一人でニヤニヤとしてしまいました。

泊まった時から既に10年ほど経っても、いまだにこうやってニンマリしながら思い出せるのですから、それだけのお金を出して泊まったかいがあったのかなぁ…と思います。
- たまの贅沢
- 自分へのご褒美
- 大切な方へのおもてなしorサプライズ
色々あると思いますが、きっと非日常に浸れて良い思い出が作れる場所だと思います。

店舗名 | 旅殿 御所 社乃森(公式HP) |
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住所 | 〒771-1508 徳島県阿波市宮川内字落久保71-2 |
電話番号 | 088-695-5846(衣装や催しなどは電話で確認する事をおすすめします) |
駐車場 | 何十台分と、たくさんありました |
ポイント | お金は掛かっても、ここに泊まるならば平安衣装体験や、平安貴族遊びのオプションは絶対につけましょう |