町とつくものの、その実態は、ほぼ「村」と言っていい徳島県上勝町。
そんな上勝町でもけっこうな山奥の古民家で行われている音楽フェスティバルがあります。

当記事では上勝町のYAMABIKO MUSIC FESTIVAL(ヤマビコミュージックフェスティバル、以下ヤマビコミュージック)をレポートします。

目次
ヤマビコミュージックはアマチュアからプロまで同じステージ
ヤマビコミュージックが行われるのは、午前の11時から午後21時近くまで。数回の休憩を挟んで丸1日、ずっと音楽が聴けます。

ヤマビコミュージックは古民家が舞台なので、なんとな~くのんびりしている。

ステージにあがる方はアマチュアの方から、日々ステージに立っているセミプロの方、そして完全に音楽を職業にしてるプロのミュージシャンまで様々です。
もちろん、レベルはいろいろ。でも、ここではそういうのはあまり気になりません。
決して多くはない観客の前だけど、ステージに立つ人は皆、真剣そのもの。緊張がコチラにまで伝わってくる人もいる。そういうのが垣間見れるのがなんかイイんです。

ヤマビコミュージックはフードも充実
山奥に一日いると食事が困るな…とご想像される方もいらっしゃると思いますが、ヤマビコミュージックなら心配はご無用です。
上勝町内にある飲食店の方が臨時出店で来てくれたり、もともとココにはバー(日本で最も山奥にあるバーかも)があるのでドリンクもある。料金も良心的な値段で、食べてみれば割安じゃんと思う逸品揃いだ。
なお、1,000円のチケット代金にはワンドリンクが含まれている。採算はほとんど度外視でこれは運営費なんだろう。これで一日居られるんだからなんか申し訳ない(※普通の人は2~3時間で、そんなに長くいる人もあまりいないけど)。
ここに来るにはクルマでしか難しいので、お酒を飲みたいなら、ドライバー役の人と、その他で来るといいかもしれません。脚力に自信のある方ならツーリングの目的地にも良いでしょう(最後は心臓破りの坂になります)。
会場近くまで来れば、道路に係の方が待機(一日中いらっしゃる)してるので、どこに車を停めたらいいか案内してくれますよ。

持ち込みに関しては特に禁止はされてないけど、なるべくならコチラで注文した方がお店の人も儲かるので、出来る範囲で飲食も楽しんでくれた方がヤマビコミュージックを長く続ける事にも繋がる。もちろん予算の範囲内で構わないだろう。
喫茶いくみさんの作る食事は、お世辞抜きに美味いのでぜひ一度試してほしい。
6月開催では、美味しいタコ焼き屋さんが来てくれたり。

片寄食料品店さんが来て絶品のかき氷が食べられたりもしました。


ヤマビコミュージックは年4回開催
ヤマビコミュージックは結構な規模のわりに、年に4回も開催されています。冬は寒さや道路が危険なためだろう、開催は春(4月)から秋(11月)に限られるので、開催密度が濃い。

今回でめでたく20回の節目を迎えたそうで、歴史が少しずつ積み重なっています。
不思議と少しずつ出演者は上手く毎回半分くらい入れ替わったりして、マンネリにはなっていない感じ(想像です)。元々観客として来てみたけど、このステージで歌ってみたくなったのでエントリーした、という方もいらっしゃいました。
ミュージシャン目線で見ると、ライブハウスで歌うのとはまた違う何かがこのステージにはあるらしい。
第20回ヤマビコミュージックの出演者をご紹介
※もし出演者の方で画像NGの方はお手数ですがご連絡ください
河童
ゆずのカバーを美しい声のハーモニーで熱唱されてました。




RAYKSpace(ライクスペース)
RAYKSpace(ライクスペース)さんは全員で7人?なかなか皆が揃わないみたいで良い意味で緩い空気で和ましてくれました。ヴォーカルの方は可愛らしいママさんシンガーさん。



のだっち
ジョンレノン風で、とサロンに注文したけど、それがスタイリストさんに伝わらずジェネレーションギャップを感じたというのだっちさん。飲みものを飲みながら聞いてたんですが最高に贅沢な気分になりました。シンプルでとても素敵な演奏。山とのマッチ具合が抜群のプレイとビジュアルでした。


かがみ

クールで爽やかな外見とは裏腹に激しいプレーだったかがみさん。
カイエプライユ
カイエプライユさん。グループのような名前ですがソロ・プロジェクトだそう。T.M.Revolution(ティー・エム・レボリューション)的なイメージだそうです。目が覚めた時に降ってきたという「カイエプライユ」を自分のアーチスト名にされたそう。今年の7月に上勝に来られたばかりという事です。

この後出番のモリシタユキさんとのコラボと、ソロは意外にもラップのパフォーマンスでした。ヤマビコミュージックでラップってあまりないと思うので、ぜひまた見たいものです。
ちなみに、カイエプライユことアヤさんは、上勝町の棚田ライトアッププロジェクトをされてるそうで、10月から樫原の棚田のライトアップを土・日・月曜日に行われるそうです。


色んなイベントもあるそうなので、ぜひ私も行ってみようと思います。
モリシタユキ
カイエプライユさんと楽しげにお話しされてたモリシタユキさん。シンガーソングライター。

なにやら秘めた想いがありそうな感じでした。

GIVE ME TEN!!!!!
GIVE ME TEN!!!!!のヴォーカルさん、マイクチェックの時に軽くだした声がすでにスゴイ声量!素人ちゃうやろ、という感じ。

ほぼSuperflyのカバーをされているバンドという事ですが、素晴らしい演奏とヴォーカルでした。

確かにSuperflyのような声質でしたが、実力がなければ歌えない・演奏できない楽曲のはず。ビブラートもお見事、そして何よりもこのヤマビコミュージックの舞台をとても楽しんでらっしゃいました。

「タマシイレボリューション」は嫌でも盛り上がりますね。「愛をこめて花束を」も素晴らしかったです。オリジナルソングも聞いてみたいものです。
cocoro
神山町に拠点をおいて活動されているシンガーソングライターのcocoroさん。

最近やっとまた新しい曲が書けるようになったというcocoroさん、新曲を披露してくれました。

cocoroさんの伸びやかな声が山あいに響きました。

元は小学生の先生をされていたというcocoroさん、1年ほど前に神山町に来られて、歌を中心とした活動を精力的に行っています。このようなステージへの出演の他、神山温泉の近くで梅星楽校という歌ったりできる場所をご提供されてます。
【追記】その後cocoroさんは神奈川県に戻られることに。詳しくはコチラ

green blue
クール!だったgreen blueさん。カッコイイ!
ハード?なんだけどキャッチーで聞きやすかった。すみません、音楽の事はよくわからないのでうまく説明できなくてゴメンなさい。


さーり
前回のヤマビコミュージックのバトルで惜しくも2位だったさーりさん。ご本人も率直に「悔しい」と。よく通る声とちょっとこぶしが効いたような歌い方が印象的。
徳島を中心にライブハウスでも精力的に活動されているミュージシャンです。
前回はさーりさんの出演前に私が帰ってしまい、後にとてもノリの良い「さあ歌おう!」の動画を見て(しまった~)と悔やみまして、今回こそは出演を楽しみにしていました。
ところが、今回は息子の様子が…?急に熱を出して、明らかに熱い…。さすがに息子を放ってはおけず無念の帰宅へ…。楽しみにしていた「さあ歌おう!」の途中の出来事でありました…(涙)。


本当はこの後、吉野川遊園地さん、そして大阪を中心に活動されているプロのバンドチャー絆(ちゃーはん)さんを見る予定だったのですが、息子の高熱のアクシデントにより残念ながらパフォーマンスを見る事が出来ませんでした。残念!

ヤマビコミュージック主催者さんは上勝開拓団
ヤマビコミュージックは上勝開拓団が主催。この上勝開拓団というのは、映像クリエイターである仁木啓介さんが代表となって設立された法人です。
仁木さんは、ご自身も最初は「取材者」として上勝町を訪れたのですが、いつしかすっかり上勝町に魅せられて移住までしてしまった方です。詳しくは以下のリンクをご覧ください。
仁木さんが制作された「笑うキミにはフク来たる」は私もたまたま放送を見ました。あれを制作されていた方だったんですね。おばあちゃんや若者たちの交流がイキイキと描かれていました。
そんな仁木さん率いる株式会社上勝開拓団が主催して行なわれているのが、このヤマビコミュージックです。
それとリピーターを仲間にしちゃいたい。それは「ヤマビコミュージックフェスティバル」をやってて思ったことなんだけど、最初の内は準備とか大変だったのが、最近はみんなお金払って、出演して、お金払って飲み食いして、ほんで準備撤収手伝ってくれるわけよ(笑)
これはスゴイな!いいシステムだなぁと思うんだよね。それを上勝町にいる人間だけで準備しようと思ったらそりゃ大変なのよ。上勝は手間が足りない。よそから来る人は手伝いは別に全然イヤじゃない。
で、やってるうちにすごい仲間意識がでてきたじゃん。これはひとつのチームだなぁって思ったんだよね。だからあんまりお客さん扱いするんじゃなくて、みんなでやろうよっていう形にしてる方が結束力も出てくるし、新しいことをやろうっていうパワーも出てくるんだろうなぁっていう気がしてた。
仁木さんたちは映像のプロフェッショナルなので、撮影された映像もきちんとしていて、どれも魅力的です。良かったら見てください。
ぜひ、上勝町のYAMABIKO MUSIC FESTIVALへ
ヤマビコミュージックの良さって一度来てみないと伝わらないかもしれません。これはヤマビコミュージックに限らず、多くの音楽イベントでそうですよね。
次回は11月に予定されているとの事。正式な日にちが決まったらまた当ブログでもお伝えさせて頂きます。私は早くも楽しみでなりません。秋の紅葉をバックに良い写真が撮れるかも。
皆さんも、ぜひ上勝町のYAMABIKO MUSIC FESTIVALへお越しください!
